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佐賀県医療センター好生館

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血液内科

診療実績

  2015 年度に入院治療を行った延べ患者数は187人です。入院血液疾患患者の疾患内訳は表1の通りです。悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫が取り扱い3大疾患であることは例年通りです。最近では多発性骨髄腫において有望な新規薬剤が開発され入院治療の機会も増えました。
  現在入院患者の高齢化が進んでいます。高齢者の造血器腫瘍では生体予備力が低く抗がん剤の使用が難しいのですが、個人にあったオーダーメイドの化学療法、支持療法を充実することで益々の長期生存例も出てくることを期待しています。また全ての患者さんにおいて抗がん剤を用いるのではなく緩和医療を含む患者さんおよび家族の意向に沿うような形で治療を行っています。
  血液内科スタッフ全員による朝の症例カンファレンス(毎日)、管理回診(月曜日)、骨髄カンファレンス(検査科と共催、金曜日)、ドクター・ナースカンファレンス、勉強会(隔週月曜日)を行い、チーム医療を実践しています。

2015年度血液内科入院患者

 疾患名 新規診断血液患者 実入院患者
悪性リンパ腫 33

61

白血病 18 33
多発性骨髄腫 11 26
成人T細胞白血病リンパ腫 7 7
骨髄異形成症候群 7 9
骨髄増殖性疾患 5 7
特発性血小板減少性紫斑病 4 4
その他 7 50
合計 92 187

造血幹細胞移植(2015年度)

同種(骨髄)移植2例
同種末梢血幹細胞移植1例
自家(末梢血幹細胞)移植2例

骨髄採取術(2015年度)

非血縁者ドナー8例
血縁者ドナー2例

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血液部門で行う治療

化学療法

抗癌剤を使って行われる治療です。治療開始前に治療方法(投与薬剤・投与期間・投与量設定・投与間隔、推測される効果と副作用など)について説明いたします。納得いただいた上での同意を大切にしています。抗癌剤の投与は、一般的には点滴で行われますが、皮下注射をしたり、内服薬を使用したり、髄腔内注入の形で行う場合があります。抗癌剤投与によって起こる副作用に対しては、できるだけの対応を行います。治療内容と年齢によっては外来治療の形で行うことが可能な場合があります。しかし、初回あるいは2回目の治療でどのような副作用がどの程度出現するのかを把握するのを目的とする場合、高度な骨髄抑制による感染症や出血の可能性がある場合、24時間を越えて点滴が必要な場合、などでは入院が必要となります。

放射線療法

放射線科に依頼して行います。悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の場合に、病変に照射する形で行います。中枢神経への浸潤(その予防を含む)など、抗癌剤の効果が限定的である場合にも使用します。副作用は照射部位の組織傷害によるものが一般的ですが、その程度は個々人で様々です。副作用に対しては、できるだけの対応を行います。外来で行う場合と入院で行う場合があります。

免疫抑制療法

再生不良性貧血(その仲間の赤芽球癆)や溶血性貧血、また骨髄異形成症候群の一部では、自分の免疫細胞(おもにリンパ球)が自分の血液細胞を誤って攻撃してしまうという(異常な)免疫反応が病気の本態である場合があります。このような病態が推測される場合、その免疫細胞の働きを抑制する治療を行うことがあります。

支持療法

原疾患(この場合罹患されている血液疾患そのもの)によってもたらされる症状や原疾患に対する治療によって引き起こされた副作用を軽減するために行われる治療です。一般的には、輸血療法・感染症対策・症状緩和療法があります。

輸血療法

原疾患(この場合罹患されている血液疾患そのもの)あるいは治療に伴う骨髄抑制のために血球数が減少して、貧血症状や出血症状が起きている(あるいは起きうる)場合に行います。一般的には、赤血球や血小板の不足に対して各々の輸血を行いますが、厚労省と学会が推奨する輸血療法ガイドラインに則って適応と投与量を判断しています。白血球の減少に対してはG-CSF製剤を投与することがあります。凝固因子の不足に対して、新鮮凍結血漿やアンチトロンビンIIIなどの血液製剤を使用することがあります。

感染症対策

原疾患(この場合罹患されている血液疾患そのもの)あるいは治療に伴う骨髄抑制のため、免疫力が高度に低下する場合があります。このような場合には、健常時には感染しないような病原体(感染性微生物)によって感染症を生じる場合があります(日和見感染と呼ばれます)。そのため、感染症予防と対策が重要となります。手洗い・手指消毒とうがいを励行していただくことは必須です。さらに必要に応じて、無菌室や個室での管理、抗生剤の予防的投与を行います。それでも感染症を発症した場合は、病原体を特定するための検査を行ったり、適切な抗生剤・抗真菌剤などを投与します。

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血液部門で行う検査

血液検査

最も頻度が高い検査です。血球の数やその形態、炎症反応の有無、肝・腎機能、凝固能、電解質異常の有無などを調べます。さらに、感染症の検査や病態の把握・診断のために他の追加検査が必要となる場合があります。

レントゲン検査

肺の状態や骨病変の有無などを調べるために行います。血液疾患そのものあるいは抗癌剤の影響や移植後などで免疫力が低下している場合には、定期的に胸部レントゲン検査を行うことがあります。

骨髄検査

骨の中にある「骨髄」という組織から骨髄液を採取して調べます。胸の真ん中の骨(胸骨)または腰の横の骨(腸骨)にボールペンの芯程度の太さの針を刺して骨髄液を吸引します。皮膚と骨の表面に局所麻酔を行って痛みを取り除いた上で行いますが、骨髄液を吸引する際に痛みを感じる方が多いです。検査のおもな目的は、血液疾患の診断、治療の効果判定、悪性リンパ腫の浸潤の有無などを調べることです。骨髄液が吸引できない場合や、骨髄穿刺のみで診断が困難な場合には骨髄組織を採取することがあります(骨髄生検)。悪性の細胞が認められた場合には、その形態のみならず染色体異常・遺伝子異常の有無などを調べます。

髄液検査

背中から細い針を刺して脳脊髄液を採取し、腫瘍細胞の中枢神経への浸潤の有無を調べます。必要に応じて同時に抗癌剤を注入する場合があります。

リンパ節生検

リンパ腫の初診時や再発時には診断のためにリンパ節を切除して検査する必要があります。採取部位に応じて外科や耳鼻科に依頼して行います。

CT

レントゲン検査ではわからない感染症の検査や、悪性リンパ腫などでは病巣の広がりや治療効果の判定のために使います。造影剤を使用して行う場合が多いですので、造影剤アレルギーがある方はあらかじめ申し出てください(当方でも施行前に再確認します)。

MR(MRI)

腫瘍の広がりを見るために使用します。CTとは相補的に使用します。造影剤を使用する事があります。

FDG-PET

悪性リンパ腫などの拡がりを調べます。CTなど他の検査では発見しにくい部位の浸潤を検出したり、腫瘤が活動性を有しているかを判断するのに使用されます。ほかの医療機関に依頼する形で行っています。

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