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最新治療のご紹介

消化器内科:ESD/POEM/EMR

ESD

EMR

ESDとは

早期がんに対して行われている内視鏡治療は、開腹手術に比べて入院日数が短期間ですみ、また患者さんへの負担も軽くできるため、従来の外科治療に代わる新しい治療法として注目されています。
内視鏡を使った治療法には、スネアと呼ばれる金属の輪を病変部に引っ掛け、高周波電流を流して切り取る方法(内視鏡的粘膜切除術;Endoscopic mucosal resection:EMR)や、最近では、専用の処置具を使ってより大きな病変を切り取る方法も行われるようになってきています。これは内視鏡的粘膜下層はく離術(Endoscopic submucosal dissection: ESD)と呼ばれています。
EMRは、治療が比較的短時間ですみますが、一度に切り取ることができる病変が、スネアの大きさ(約2cm)までと制限があるのに対し、ESDでは専用の処置具を使い、より広範囲に病変を切り取ることが可能な治療法です。
切り取られた病変は、最終的に顕微鏡でその組織の様子が確認されます(病理検査)。
このように、ESDでは大きな病変もひとかたまりで取れ、また病理検査でのより正確な診断にも役立つと考えられています。

POEMとは

食道・胃接合部の通過障害をきたす食道アカラシアやびまん性食道痙攣症に対して内視鏡的な根治術である経口内視鏡的筋層切開術(POEM)を一般の保険診療で行っています。食道壁内に内視鏡を侵入させ、食道壁内から外層の筋層を切断するものです。旧来の内視鏡的治療(バルーン拡張やボツリヌス毒素注入)では一時的な効果しか得られず再治療を繰り返すことが多く、外科手術では高度侵襲となっていました。これに対してPOEMでは治療当日から飲水可能で治療4日後には退院可能となるなど低侵襲で利点が多い治療法です。食道粘膜に1㎝程の傷ができますが2週間程度で完全に治ってしまいます。

EMRとは

内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection:EMR)は内視鏡を用いて筋層以下(粘膜下層の奥)に障害を与えずに、粘膜下層の深さで粘膜層を広く切除し、組織を回収する技術です。内視鏡の役割は患者さんのQOLの向上につながる低侵襲(ていしんしゅう)治療の実現のため、「広範囲の早期がんをより適確に、完全に、一括切除する」ことをめざしたEMRは、早期のがんに対し、従来の外科的治療に代わる新しい治療法として脚光をあびています。
EMRは開腹手術に比べ、患者さんの身体の負担が軽いため、今後も多いに期待される手技です。同時にEMRの技術(器具や道具の開発)も改良・応用され、様々な病変の検査、処置・治療に、幅広く利用されていくことと考えられます。

動画

「ESD:内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術」(オリンパス「おなかの健康ドットコム」)

ESD:内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術
オリンパス株式会社 おなかの健康ドットコム(https://www.onaka-kenko.com)より

「EMR:内視鏡的粘膜切除術」(オリンパス「おなかの健康ドットコム」)

EMR:内視鏡的粘膜切除術
オリンパス株式会社 おなかの健康ドットコム(https://www.onaka-kenko.com)より

対応疾患

ESD

主に、早期がんの切除。食道・胃・大腸などの粘膜内病変が対象。

EMR

早期がんや良性腫瘍の切除。食道・胃・大腸などの粘膜内病変が対象。