トップページ > 来館される皆さまへ > 好生館コラム > 好生館コラム一覧 > 第46回 脳血管内治療について~切らずに治す脳卒中~
脳神経外科 医長 溝上 泰一朗
脳血管内治療とは、足の付け根、もしくは手の動脈からカテーテルという細い管を用いて血管の中から脳卒中疾患を治療する方法です。カテーテル治療は循環器の領域等では古くから広まった治療法ですが、脳卒中疾患に関しては20年ほど前から急速に発展してきています。現在日本では年間1万以上の血管内治療が行われており、一般的に普及しています。
主な対象疾患は1)脳動脈瘤 2)頸動脈狭窄症 3)脳梗塞(超急性期、慢性期) 4)硬膜動静脈瘻 5)脳脊髄動静脈奇形等が挙げられます。
クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤は、プラチナ製のコイルを動脈瘤の中に入れて、血栓化を促し破裂を予防します。
脳梗塞を引き起こす頸動脈狭窄症には、金属(ナイチノール)製のステントを入れて、血管の狭窄を改善させます。
好生館では、philips社 Allura Xper FD 20 を有するハイブリット手術室を完備しています。
最新機種であるため、より安全な手術を実現することが可能です。また手術室で麻酔科、手術部看護師、放射線技師と協力しながら治療を行うため、さまざまな状況にも迅速に対応できる環境です。
カテーテル治療はうまくいくと非常に患者さんに負担の少ない治療法です。
しかし、手術の安全性や、長期効果等は従来の外科手術(開頭術や頸動脈内膜剥離術)と比較し、それぞれの得意不得意とするところがあます。当医院では脳神経外科医、脳神経内科医、脳血管内治療医の脳卒中チームで検討し患者さん一人一人にベストな治療を選択しています。
好生館は主に専門的な医療や救急医療を担当する病院です。症状が安定しましたら、お近くの「かかりつけ医」をご紹介いたします。(その後は「かかりつけ医」と相談のうえ、必要に応じて当館を受診していただくことになります。)
皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
好生館は、地域の「かかりつけ医」の先生方と連携して、患者さんへのより温かい充実した地域医療の提供に努めてまいります。