各種センター・チーム医療のご紹介
臨床倫理コンサルテーションチーム

医療の現場では、病気や治療について話し合う中で、「何が正しい選択なのか」「どうするのが一番よいのか」と悩むことがあります。 たとえば、「治療を続けるべきかやめるべきか迷っている」「本人と家族、医療チームの考えが食い違っている」「価値観の違いから意見がまとまらない」といった「答えがひとつではない問題」に対して、中立的な立場からサポートするのが倫理コンサルテーションチームです。
医療現場における倫理的課題への取り組みについて
私たちの日常生活のさまざまな場面と同様に、医療現場においても倫理的な課題が生じています。これらの課題は、科学的・医学的な根拠だけでは解決できないことが多く、特に倫理的な対立を含むケースでは、関係者間の意見の相違が医療スタッフに大きな負担を与えることもあります。 このような背景をふまえ、当館では2023年9月に臨床倫理コンサルテーションチームを立ち上げました。チームは、医師、薬剤師、看護師、リハビリテーション専門職、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー(MSW)、事務職員など、多職種で構成されています。
私たちは、倫理的な相談を受けた症例について、Jonsenの「4分割表(医学的適応・患者の意向・QOL・周囲の状況)」に基づいて整理・分析し、問題解決に向けて関係者とともに考え、寄り添いながら支援を行っています。 今後も、価値観の多様化にともない、倫理的な課題はさらに複雑になることが予想されます。私たちは、より納得感の得られる医療の実現をめざし、臨床倫理コンサルテーションチームとしての活動を継続してまいります。