最新治療のご紹介
放射線科:放射線治療
放射線治療とは
放射線治療は、手術や薬物療法と並ぶがんの3大治療法の1つです。 病巣に放射線を照射し、がん細胞の遺伝子(DNA)にダメージを与えて、がん細胞を壊す治療法です。X線撮影と同様に、放射線があたっても、痛みや熱を感じることはありません。 放射線治療のみでがん治療を行うこともありますが、病期や症状に合わせ、手術や薬物療法などの治療法と組み合わせて放射線治療を行うこともあります。
放射線治療の目的
がんを完全に治癒することを目的に行われる場合が多いですが、手術や抗がん剤治療後のがんの再発予防や、がんによる痛みなどの症状の緩和を目的として行われることもあります。
放射線治療装置
令和6年3月に「TrueBeam」(トゥルービーム)という放射線治療装置を導入しました。 この装置は、がん細胞に対して適量の放射線をピンポイントに照射し、高精度・短時間に治療する機能等を備えており、頭頸部、体幹部、四肢にわたる幅広い部位のがんの他、脳転移、骨転移などの転移性腫瘍にも適応があります。 また、2台のフラットパネル検出器に加え、高精度光学カメラを備えています。サブミリメートルの精度でリアルタイムに患者さんの位置や動きを追跡し、誤差の補正を行うことで、正確な治療を実施することが可能です。(画像誘導放射線治療:IGRT)
治療の流れ
放射線治療では、治療に先立ってCTを撮影し、撮影した画像を使用して治療計画を立案します。 治療計画では、専用のコンピュータとアプリを用いて、がんに対しては十分に放射線を照射し、一方、正常な臓器に照射される放射線量はできるだけ少なくなるように、照射する方向や範囲を調整します。 アプリで得られた治療計画のデータを治療装置に転送し、治療を実施します。
症例の紹介(転移性脳腫瘍)
肺がんが脳に転移した事例です。 大脳の底の部分に見られる1cmあまりの丸い影(矢印)ががんですが、ピンポイントで狭い範囲に強く放射線を当てる定位放射線治療(SRT)により、がんは消失しました。
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